長野県茅野市にある茅野市民館という施設を、ご存知でしょうか。
ここでは、そんな茅野市民館について、ピックアップしていきたいと思います。
いったい、茅野市民館とは、どういった施設だったのでしょうね。
さて、茅野市民館を建築した人物も気になるわけですが、こちらは、建築家の古谷誠章さんという人でした。
そこで、この茅野市民館の建築者である古谷誠章さんのことも、探ってみました。
さらに、この記事では、茅野市民館の平面図面も取り上げてまいります。
なお、茅野市民館のレストランから見る中庭は、明るく開放的で良すぎるといいますので、こちらもチェックしていきましょう。
1.茅野市民館とは
茅野市民館とは、長野県茅野市に位置している施設です。
しかし、市民館といっても、ただの文化会館ではなく、美術館、図書室、劇場、音楽ホール、スタジオ、レストランといった、多様なものが入っているのが特徴。
こうしたパターンは、なかなか見かけませんから、すごく新鮮ですよね。
建築した建築家は古谷誠章さんで、彼については後であらためてご紹介してまいります。
そんな茅野市民館は、デザインが評価されたことによって、古谷誠章さんが多数の賞を受賞することとなりました。
茅野市民館は、1967年、茅野市民会館としてオープン。
1980年には、茅野市図書館・美術館となり、2005年には、茅野市民館となって、茅野市美術館が移転して、現在に至っています。
なお、茅野市民館といえば、とくに注目されていたのが、茅野市美術館。
茅野市美術館には、日本画、洋画、彫刻、書道、工芸品、版画、写真などといった美術品が多数、所蔵されていました。
茅野市民館ともども、ぜひ、来館してみたいですね。
一級建築士試験において茅野市民館は近年出題されるようになってきました。
学科試験「計画」の、コミュニティ施設の実例として多くのテキストにも登場。
建物の計画段階で市民から代表者を決め、設計者となった建築家の古谷誠章さんと細かく話し合い、動線や機能面を競技していったそうですよ。
こうした「市民手動の計画」が特徴の建築物ということで、一級建築士試験を目指す場合には認識しておくと良いでしょう。
2.茅野市民館を設計した建築家とは
沖縄建築賞・古谷審査委員長「設計者ならではのテーマぶつけて」と呼びかけ 応募3月19日まで!<br /> https://t.co/7hbXJ2cVHG #沖縄建築賞 #タイムス住宅新聞 #古谷誠章 #okinawa #沖縄
— 沖縄タイムス (@theokinawatimes) March 5, 2020
続いて、茅野市民館を建築した建築家の古谷誠章さんについて、見ていきましょう。
古谷誠章さんは、1955年2月20日、東京都の出身で、2020年10月現在の年齢は、65歳となっています。
学歴は、1973年に東京都立青山高校を卒業、1978年に早稲田大学理工学部建築学科を卒業、そして1980年に早稲田大学大学院を修了となっていました。
その後、古谷誠章さんは、学者としての道を歩んでいき、1983年には早稲田大学理工学部助手、1986年には近畿大学工学部講師に就任。
同年には文化庁芸術家在外研修員となって、1990年には近畿大学工学部助教授となります。
1994年には、八木佐千子さんとスタジオナスカを設立しました。
なお、スタジオナスカは、その後、NASCAとなります。
さらに、古谷誠章さんは、1994年には、早稲田大学理工学部助教授、そして1997年には、早稲田大学理工学部教授、2010年には、東北大学非常勤講師に就任。
そして2017年には、日本建築学会会長に就任したのでした。
このように、すばらしい活躍を発揮していた、古谷誠章さん。
茅野市民館以外にも、手がけた建築物は、香美市立やなせたかし記念館・アンパンマンミュージアム、小布施町立図書館まちとしょテラソなど、多数。
そんな古谷誠章さんはもちろん、受賞歴もそうとうなものになっています。
1980年には、若干、25歳にもかかわらず、小野梓記念芸術賞を受賞。
以後も、1991年には吉岡賞、1999年には日本建築家協会JIA新人賞、2007年には日本建築学会賞作品賞、日本建築家協会賞、2011年には日本芸術院賞を受賞していきました。
なお、日本建築学会賞作品賞、日本建築家協会賞、日本芸術院賞は、みんな、茅野市民館を建築したことに対するものだったのです。
これからも、古谷誠章さんのあらたな仕事が楽しみですね。
3.茅野市民館の平面図面とは
古谷誠章さんが手がけた茅野市民館ですが、その平面図面も確認しておきましょう。
茅野市民館の1階は、マルチホール、常設展示室、市民ギャラリー、スタジオ、事務室、レストラン、図書室、イベントスペース。
2階は、美術館収蔵庫、アトリエ、マルチホール、コンサートホールとなっていました。
1つの施設であるにもかかわらず、これだけのものが入っていたとは、あらためておどろきですね。
さらに、次で取り上げますように、茅野市民館は、環境もすばらしかったのです。
4.茅野市民館のレストランから見る中庭が明るく開放的で良すぎる
上述のように、茅野市民館には、1階にレストランがありました。
そして、このレストランから見る中庭が、話題だったのです。
明るく開放的で良すぎるというのでした。
レストランから見た中庭は、建物がガラス張りだったために、景色をハッキリ確認することができます。
茅野市民館自体、都市的なしゃれたデザインだけに、よく計算された印象を受けますね。
ぜひ、一度、このレストランを訪問して、食事してみたいものです。
もっとも、中庭を中心に据え、建物内部のどの部分からも中庭を見ることができます。
光の当たり方が時間や季節に寄って変わるためいつも違った表情を楽しめるとか。
レストラン以外のあらゆる場所からも、どんなふうに中庭が見えるのか確認してみたいですね。
茅野市民館には、一般的な文化会館の域を超えた魅力がたくさんありました。
建築した古谷誠章さんもふくめて、すばらしいですね。
自分の住んでいる街にも、このような施設があればと、つい思ってしまいます。